睡眠を改善期待できる成分CBDとGABAの摂取方法とは?【日本は睡眠不足大国】
テレビやSNSでも睡眠について特集がなされていますが、この記事を読んでくださっているあなたは質の良い睡眠はとれていますか?朝スッキリと起きることはできていますか?寝ても疲れがとれないなんてことありませんか?
今回はあなたの睡眠がしっかりとれているのか、そして睡眠にアプローチできる成分についてご紹介します。
記事の目次
- 日本の睡眠状況は国レベルで大問題
- 日本人の健康に対する意識の低さが現れている
- 睡眠不足になると病気のリスクが高まる
- 睡眠不足で引き起こされる病気とは
- 原因はやっぱりストレス
- 睡眠の質に作用する成分・期待する成分
- GABA
- CBD
日本の睡眠状況は国レベルで大問題
睡眠に対して意識してとっている方はこの記事は読まなくてもいいかもしれません。
ですが、日本人の多くは食事や運動には気を使っていても日本人はなかなか睡眠には意識が向いていない方が多い印象です。
では日本の睡眠状況は世界から見てどの程度なのでしょうか。詳しく解説します。
日本人の健康に対する意識の低さ=睡眠時間
2021年12月時点では、日本人の5人に1人が睡眠不足や不眠症状を抱えていると言われています。(※1
睡眠は人間の体だけでなく、睡眠負債(睡眠時間の短さや質の悪さ)が溜まることで、日本の経済損失にも影響するとも言われたりします。(※2
経済協力開発機構(OECD)調査で、調査対象12カ国の中で、日本は7時間22分と世界でもトップクラスで睡眠時間が短い国と言われています。睡眠時間の多い国では日本より2時間以上多く睡眠をとっており、日本人は社会的に問題点が多いこともあるかと思いますが、平均的に短い睡眠時間で生活していることがわかります。
また睡眠は近年、大人だけの問題ではなく子供にも影響しており、スマートフォンやSNSの利用率の増加からも若者の寝不足であったり、眠くても眠れない子どもが増え、睡眠障害は国をあげての問題とも言えます。(※3
ですが、睡眠時間は個人差があり多すぎも少なすぎも良くありません。よく約7時間程度寝ることができていれば良い睡眠とも耳にしますが、「朝起きても寝た気がしない」「疲れがとれていない」と感じる人は睡眠がうまくとれていないという可能性があります。
ですが日本人は特に睡眠に対して意識をしてとる方が少ないので、意識的に睡眠に対して向きあう必要がありそうです。
睡眠不足になると病気のリスクが高まる
なぜ睡眠不足が続くだけで、病気のリスクを高まってしまうのでしょうか。詳しく解説していきます。
睡眠不足で引き起こされる病気とは
睡眠不足が続くと、必然と副腎皮質ホルモン「コルチゾール」の分泌量が多くなります。
このホルモンは血糖値を維持し、血圧をコントロールするなど、本来はストレスから体を守る作用があるものです。しかし過剰な分泌が続くと、血圧や血糖値が高まって動脈硬化が進み、高血圧や糖尿病といった生活習慣病をはじめ、脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる病気を引き起こす可能性があると言われています。
また、コルチゾールは記憶や感情を司る脳の海馬を破壊し、記憶力の低下やうつ病などの心の病気を招くとも言われています。
睡眠不足は蓄積され続け、身体にも不調をじわじわと与えて気づいた頃には重度の病気になっている、なんてことにもなるので、日本人ならではの発言で、「若いから大丈夫」「多少無理しても大丈夫」など軽く考えすぎることは危険かもしれません。(※4
原因はやっぱりストレス
睡眠不足の一番の原因は自律神経の乱れ=ストレスです。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があり、その両方のバランスによって内臓機能をコントロールしています。カラダや脳を活発に動かす時は「交感神経」が優位になり、血圧や心拍数が上昇します。
一方、リラックスしている時は「副交感神経」が優位になって血圧は下がり心拍数も落ち着きます。
睡眠の質が悪い方は寝る直前の副交感神経への切り替えがうまくできず交感神経が優位になり、疲れが残るなど、質への影響につながると言えます。(※5
正直1日の中で交感神経ばかりが優位になりすぎてしまうこともあると思います。
だからこそ休憩時間や休日などでは自分の時間を作ること、時間の工夫をし、リラックスできる環境を整えることがとても大切なことがわかるかと思います。
睡眠の質に作用する成分・期待する成分
睡眠の質改善へのアプローチとしてといえば、入浴やアロマ、寝る前のブルーライトを避けることなどがよく挙げられますが、今回は2種類の栄養成分についてご紹介します。
GABA
GABA成分はγ-アミノ酪酸というアミノ酸の一種で、一時的・心理的なストレスを軽減する機能や血圧低下効果、睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)の向上のサポート機能があることなどが報告されています。
GABAはチョコレートやカカオ、メロン、野菜ジュース、発芽玄米、漬物・味噌・醤油などの発酵食品に多く含まれます。なのでGABAチョコレートが主流として出回ることが多かったりします。
ですが、上記食材は塩分が多く含まれているものなので、たくさん摂ってしまうのも注意が必要です。
また、GABA単体で摂るのではなく、米糠有効成分(イノシトール,フィチン酸,食物繊維,ニコチアナミンなど)が相乗効果を発揮するとも言われているので、和食中心で生活できると必然と摂取できるかもしれません。(※6
CBD
CBDには精神のリラックスやうつ・不安の緩和、不眠の改善、高血圧の改善といったGABAに似た作用があります。
また、CBDは身体全体に分布しているエンド・カンナビノイド・システム(ECS)に働きかけるので、脳や脊髄に存在する神経伝達物質のGABAとは違い、さまざまな部位に作用することがわかっています。
そのためCBDの効果はそれだけでなく、抗炎症作用や痛み・かゆみの緩和など、GABAに期待されているもの以外にもさまざまな作用があります。
市場に出回っているCBD製品はチョコレートやオイル、サプリメントの食品だけでなく、バームなどの化粧品、VAPEなども売られています。なので目的に合わせて使用するのがポイントです。
まとめ
日本人の睡眠に対する意識は時代と共に少しずつ変化はきていると思いますが、まだまだ成長過程です。
健康は食事だけでなく睡眠からも作られることを頭に置きながら生活してみてはいかがでしょうか。
専門家によるCBDの研究も進められていますが、日本国内ではまだまだ不十分です。ですが、期待できる効果はこれから人々の力になることは間違いないでしょう。
参考文献
(※1 ドクターズファイル 不眠症 東京慈恵会医科大学森田療法センター名誉センター長 中村 敬 先生監修
(※2 Gibson M, Shrader J: Time use and labor productivity: The return to sleep. Review of Economics and Statistics 100:783-798, 2018.
(※3 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 子どもの睡眠
(※4 内山 真 医学のあゆみ(不眠・睡眠不足とメタボリックシンドローム) 医歯薬出版株式会社 2007 Volume 223, Issue 10, 837 – 841
(※5 厚生労働省 令和元年「国民健康・栄養調査」 第3章 身体活動・運動及び睡眠に関する状況 睡眠の状況
(※6 佐々木泰弘 河野元信 ギャバ(GABA)の効能と有効摂取量に関する文献的考察 美味技術研究会誌2010 No.15:32-37